黒人女に絡まれた!「ラスベガス安全説」が 崩れた瞬間

両親が金婚式、お祝いにラスベガスへ

2009年3月、両親が金婚式を迎えることとなり、お祝いにラスベガスへ。

今まで親不孝はたくさんしたけれど、親孝行なんてしたことがなかったのでちょっと無理して奮発するも「アメリカなんて物騒な!!」と口を揃える両親。

「大丈夫~!俺に任せて!ラスベガスは今まで一度も危ない目に遭ったことないから!」(実際そうでした)

ところがそういう時に限って神話は崩れるんですね。。。(悲)

ラスベガスに着いて2日目、4人揃ってプレミアムアウトレットに行ったときの話しなんですが、ラスベガスのホテルからプレミアムアウトレットタクシーで行くことも可能でしたが、それではあっという間に到着してしまうのでつまらないと思い、移動手段は二階建てバスの「デュース」を使うことにしたんです。

このデュースは一回$2。一日券を買っても$7という安さでラスベガスでは非常に人気があります。

私たちの滞在しているパリスホテル前に停留所があり、そこから南回りで乗車。そこそこ混んではいたがラッキーな事に2階席の最前列に座ることができました。両親も夜とはまた一味違ったラスベガスの風景に満足そうでした。

しかし、この「デュース」はアウトレットまでの直通がなく、ストリップを北上した途中で下車しなければならないのですが、降車する停留所を勘違いしてしまいダウンタウンを北上し、終点ターミナルまで行ってしまったんです。

このターミナルは相変わらず浮浪者みたいな者の溜まり場になっていて、ラスベガスのエリアの中では非常に治安の悪い場所。

元々海外旅行(特に物騒なアメリカ)に乗り気ではなかった両親に、ラスベガスは治安がいいという事を何度も言い聞かせていたので、一刻も早くその場を立ち去りたかったですね。

数年前ラスベガスに来たときにも、この終点ターミナルで降ろされてしまった事があり、深夜の遅い時間帯だったので非常に怖い思いをしたことがありました。

ともあれ、時間もかかってしまいましたが、無事にプレミアムアウトレットに到着。

私と父は特に欲しい物はありませんでしたが、嫁と母はCOACHでの買い物に没頭。

母は土産を買いあさり、またそれを嫁に見立ててもらったというお礼に、嫁にまでバッグを奮発するというハイテンションぶりでした。

そして満足のいく買い物も済ませ、午後2時を過ぎたのでそろそろホテルに戻ろうという事になり、持ちきれないほどの買物袋を両手に抱え、私たち4人はバス停へと向かいました。

どこにバス停があるのか定かではなかったのですが、周りの人が歩く方向へと一緒になって付いて行きました。

すると、そこに巨漢の黒人女性2名と数人の白人男性がバスを待っていました。私は何気にふと、バス停の案内板を見ました。するとそこには「キャットバス」という文字は表示してあるのですが「デュース」という文字がどこにも見当たらないのです。

「キャットバス?このバスでいいのだろうか?・・・」

私はその2人の黒人女性が、ベンチに座って何やら雑談しているのが目に留まり、二人に歩み寄り、話せもしない片言の英語で話し掛けてみたんです。

私はチケットを見せながら「このチケットでキャットバスは乗れますか?」と聞いてみました。(本人は聞いているつもり)

今思えば、異国の地で気楽に外国人に話しかける自分の姿を、何気なく両親に見せたかったのでしょうね。

ところがそれが裏目にでてしまったのです。

その2人の黒人女性は私の言葉を全く理解できなかったのか、ただ不機嫌な顔をするだけで、凄く無愛想な態度で私をあしらいました。

私は「聞く相手を間違えた!」と瞬間的に思い、途中で話すのを諦め、家族の所まで戻って行きました。(これで何事もなかった筈でした)

すると、先程の2人の黒人女性のうちの1人が私たちの所にやってきたんです。

結構な早口だったのでよく意味が把握できなかったのですが、何となく・・「さっきのチケットをもう一度みせて!」という感じに聞こえたので、私がチケットを見せると、そのチケットを指して何やら喋り始めたんです。

私は先ほど質問した意味を理解してくれてご丁寧にも説明に来てくれたのかと一瞬思ったのですが、しかし言葉の語尾が物凄く強く、捲くし立てる様な話し方だったので、それとは違う事はすぐに察しが付きました。

話の内容はこんな感じです・・(たぶん)

私の持っていたチケットを指して

「これは彼女(片方の黒人女性)の落としたチケットだから返しなさい!あなた、さっきこれを(チケット)落としませんでしたか?と尋ねて来たたじゃないの!?」

言いがかりなのか、詐欺なのか・・・(笑)

「NO!NO!NO!」何度言ってもラチがあかず、いずれにせよ相手にしてもしょうがないと思い、(本当はとても怖かったから(笑))その女たちを振り切るようにその場は無視してタクシースタンドへ歩き出しました。訳が分からない嫁と両親は私の後を追います。

過去、ラスベガスに来てこんな嫌な思いは味わった事がなかったのに・・・

なぜ今回に限って!?・・・

ラスベガスは治安のよい街!”を両親にも豪語してきたのに!・・・

私の中で“ラスベガス安全説”が崩れた瞬間でした。嫁や両親にも嫌な思いをさせてしまった。

あんな事、聞かなければよかった!・・・

帰りのタクシーの中、4人はとても無口だった。

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